清浄の実践:初雫とその規律
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新しいプロジェクトはすべて、クリエイターにとって挑戦となるものです。Kaminariに続いて、究極の対極である純粋さ、静寂、そしてミニマリズムに挑戦してみようと思いました。
私の現在の作品「初雫」に込められた思いと現状をお伝えできることを嬉しく思います。この時計は、究極の鍛錬と素材への敬意を求めた、抑制の実践と言えるでしょう。
キャンバス:漆との対話
初雫の特徴は文字盤です。私は工業的な工程を一切使わず、天然の漆(日本の漆)を自らの手で塗ることを選びました。
漆は妥協を許さない素材です。極限の忍耐力、温度と湿度の管理、そして埃の一切出ない環境が求められるため、工程への献身と自然との関わりが真に試されるのです。現在、私は漆の技術を磨き、最終的な文字盤に向けて3つの色調を試しています。深みのある彩度の生の黒、瞑想的な青、そして堂々とした赤です。
そのフォルム:クラシックなシルエット
時計にはクラシックなプロポーションを取り入れたいと思っています。そこで、私がCADで独自にデザインした34mmケースは、クラシックなドレスウォッチのエレガンスを体現しています。洗練されながらも控えめで、ラッカー仕上げのキャンバスに完璧にフィットするミニマルなフレームとなるでしょう。
エンジン:軽量でスリム
時計のサイズが小さいため、初雫には小型で超薄型のキャリバーが必要です。ベースには、信頼性の高いPeseux 7001の構造を採用しました。このムーブメントの直径はKaminariのUnitas 6498ベースよりもはるかに小さいため、そのプロポーションは私の改造と仕上げの能力を試すものになるでしょう。
初雫は現在、集中的に制作中です。これは忍耐とデザインの抑制を学ぶ機会であり、作業の進捗に合わせて今後のアップデートをお伝えできることを楽しみにしています。